料亭 二蝶

香川の和食を特別な料亭で

季節の行事

和食と日本酒の相性を本気で考える料亭の裏側がスゴかった!

2018年9月13日に開催される「酔舞の会」に向けて、8月30日に西野金陵さんのお酒に本番の料理を合わせていく試食会が料亭二蝶で開催されました。
先日、西野金陵の杜氏である酒井さんと、二蝶の主人、山本のホンネをまじえた座談会のようすをお伝えしました。

》座談会のようすはこちら

今回は、実際に料理と日本酒を合わせて味わいながらどの料理にどのお酒を合わせていくのか、酔舞の会をどういった流れで進めていくのかを決めていく場になります。
その現場に西野金陵の酒井さんもお招きし、実際に当日のお料理とお酒を合わせながら本番をどういったカタチのイベントにするか作戦を練っていくことになります。
よって、今回の記事は、料亭二蝶で開催されるイベントの舞台裏がどのようなものなのかをレポート形式で紹介させていただくことになります。

酔舞の会で登場する日本酒はこちら

それでは早速お料理の紹介を・・・と、その前に、もう一度おさらいをしておきましょう。
通常、料亭のメニューではお食事に合ったお酒を提供させていただいています。
二蝶にお越しくださった方であれば、お料理が変わる時にお出しする日本酒も変わることがあるということをご存知の方も少なくありませんよね。
特に酔舞の会の主役は日本酒なので、それぞれのお酒がどういった味わいなのかは知っておく必要があります。
ということで、まずはお酒の特徴をおさらいしておきましょう。

酔舞の会は、西野金陵さんとのコラボで開催されるため、お出しするお酒はすべて西野金陵さんのお酒というのが原則です。
今回登場する予定のお酒はゆず酒、あきげしき、秘蔵古酒、ひやおろしの全部で4種類。
お料理に合わせてお出しするため、日本酒がどの料理と相性が良いのかを1つひとつチェックしていく必要があります。
前回の打ち合わせで酒井さんもおっしゃられていたように、同じ酒蔵で作った日本酒でもそれぞれにまったく違った特徴を持っているため、例えばひやおろしとあきげしきを比べてみてもその味わいは大きく異なります。

まずは料理に合わせるまえに、ひと口飲んだ感覚をお伝えしましょう。
といっても、味や香りのことは座談会の記事で既に紹介済みですし、同じことを何度も言ってもつまらないので、実際に飲んでみた特徴をそれぞれのタイプに分けていくことにします。
せっかくお酒の会なので、飲み会メンバーになぞらえてタイプ分けしてみますので、あるある的な感覚でお楽しみいただけると幸いです。

ゆず酒

幹事さんタイプ
国産ゆず果汁を惜しみなく使用した爽やかなお酒「ゆず酒」は、飲み会で言うと幹事さんのようなタイプ。
乾杯の挨拶の時にはきっちり役割をこなし、あとは飲み会がきちんと回るように気遣いをしながら場を取り仕切る幹事さんのように、食前酒として全員に爽やかさを運んできた後は、ほしい人の所にだけ赴いて役割をきっちりこなします。でも、お食事の途中にもひょっこり顔を出して飲み会も楽しんでいる、気遣い上手の幹事さんのようなタイプのお酒です。

あきげしき 無濾過 純米吟醸生原酒

優等生タイプ
甘くてフルーティーな香りが広がる飲みやすい日本酒「あきげしき」は、飲み会では相手に合わせてきっちりと受け答えをする優等生タイプ。
みんなの話をまとめたり、話題を振って盛り上げたり、中心的な存在で、とりあえず彼にまかせておけば飲み会がうまく回るのでとっても重宝される。
傍から見ると、本当に飲み会楽しんでますか?と聞きたくなるけれど、本人は本人でそういうのが楽しいみたい・・・という人、いませんか?お酒としても、料理にしっかりと合わせていく優等生タイプの「あきげしき」は、最初から最後までこれ1本でなんとかなってしまう日本酒好きには欠かせない1本です。

大吟醸 秘蔵古酒

破天荒タイプ
口の中でふわっと香りが広がり、深く、複雑な味わいを兼ね備えた「秘蔵古酒」は、飲み会で言うと破天荒タイプ。
すごいいい奴なんだけど、けっこうやらかすからなぁ。という部分も目立ち、理解できる幅が狭いので警戒されがち。でも、尖っている分合うところがわかりやすく、相性がよい人とはとことん仲良くなって二次会にも三次会にも参加して朝までとことん飲み明かしてしまうというような不思議な魅力を持っています。
クセの強い味わいなので、「秘蔵古酒」だけを飲み続けるのはよほどのツワモノのみ。でも、料理にバッチリ合った時の感動もまたスゴく、それが理解できたときにまたひとつ日本酒が好きになれる。きっとお酒好きにしか理解できない魅力が備わっています。

ひやおろし(純米原酒生詰)

リア充タイプ
秋の味覚に合わせやすい芳醇な味わいの「ひやおろし」は、飲み会には欠かせないムードメーカーで、欠かすことのできない存在です。
一人でいると意外と目立たないけれど、誰かと一緒にいるとひときわ輝くタイプの「ひやおろし」は、ついついいて欲しくていろんな人から飲み会に誘われてしまうリア充タイプ。「お前、どこの飲み会にもいるな」と言われてしまうくらい、顔を出します。食べ物に合わせて飲むことに使命感を持っているのではないかというくらい何かと合わせたい日本酒なので、ぜひ秋の味覚と一緒にお楽しみください。

月白

助っ人?
酔舞の会で登場するお酒のラインアップに入っていなかったはずの月白が、助っ人として登場。
飲み会に例えても助っ人、酔舞の会でも助っ人という器用貧乏タイプの「月白」は、飲み会で気がついたら気の合う人を見つけていい感じのムードになっているタイプです。ひやおろし、古酒、あきげしきのみんなが苦手なタイプとする食べ物にスッと合わせられる器用さは、酒好きに「さすが助っ人」と言わしめる謎の説得力を持っています。
予定になかったはずなのに「遅くなってごめんね」という感じで飲み会にいきなり登場してきますのでぜひお楽しみに。

お酒を注ぐグラスにもおもてなしの心を

それでは料理の説明に・・・といきたいところですが、その前に、どのお酒をどのグラスに注ぐのかを考えていきます。
これも本番を想定していく上で大切なこと。
冷えたお酒を全部同じグラスで飲むよりも、いろんなグラスで楽しんだ方がいろいろ飲んだ気分にもなれますしね。

秘蔵古酒は琥珀色をしているので、透明のグラスの方が相性が良い。ワイン感覚で飲めるフルーティーな味わいの秋景色はワイングラスの方が良い?一番飲む機会が多いであろうひやおろしはおしゃれなグラスを使って・・・。
お酒の色、見た目、雰囲気など、さまざまなことを考慮に入れながら、どのお酒とどのお酒が相性が良いのかを見た目でチェックしていきます。

グラスの種類を変えるとどのお酒が減っているかが分かる

今回、料理がどのお酒に合うのかとチェックするため、料理を食べてはすべてのお酒を飲んで合わせるという行動を繰り返していたため、常に御膳の前には全種類のお酒が用意してある状態でした。
どのグラスにどのお酒が合うかな?という見た目のチェックもありましたが、それ以上にグラスを分けることでどのお酒が減っているのかが分かりやすいことが非常に役立ちました。
お酒を飲む醍醐味といえばやっぱりお酌をしながら会話を楽しむこと。もし、グラスが同じでどのお酒が減っているのかがわからなければお酌をしにくいですよね。
そう言った意味では、試食会だからこそグラスを分けておくことが大事だったのかもしれません。

酔舞の会のお献立は全12種類

では、お待ちかねの食べ物のお話です。と言っても、酔舞の会の開催前にすべてのメニューをご紹介してしまうのは楽しみを奪ってしまうかもしれませんので、今回は冒頭の3品だけご紹介したいと思います。
酔舞の会に登場する料理の品数は全部でなんと12種類。そのうちデザートやシメなどを抜くとお酒と一緒に楽しむのは9品になります。和食の料亭と思いきや、これは和食なのか?と思える内容が並び、食べる前から気になるものがいくつもあります。

酔舞の会 お献立

  • ウコンごはん 焼帆立
  • 伊勢海老酒盗焼 オリーブオイル シジミ潮汁
  • 豚角煮 冬瓜

ウコンごはん 焼帆立

最初に登場するのはウコンご飯。お酒を飲む前に少し炭水化物を入れておくことで悪酔いを防ぐことができるそうなので、これを食べて心も体も酔舞の会に臨む態勢を整えることができます。
さらに、ウコンにはご存知、肝臓を保護してくれる作用があるため、お酒の会の前に登場する食べ物としては相性も抜群。
帆立の香ばしさがほんのりと香ってきて食欲をそそり、口に運べばパルメザンチーズの塩分が効いた優しい味わいが広がります。

伊勢海老酒盗焼 オリーブオイル シジミ潮汁

さて、お待ちかね。最初に登場するのは、まるでイタリアンかフレンチかという欧風のフォルムをした伊勢海老酒盗焼。
酒盗で焼いたという伊勢海老を串刺しにし、シジミのエキスが入った汁と、エキストラバージンのオリーブオイルが二層構造になったスープに漬かっているなんともオシャレなひと品。
口に運べば、さっぱりとした味わいの中にもシジミエキスの濃厚さとオリーブオイルの味わいが絡み合います。

さっそく料理とお酒を合わせてみると、開口一番、全員の意見が一致します。
「古酒は、ないですね」
秘蔵古酒のクセの強さは、日本酒の中でも風味が強いことと、後を引く独特な味わい。
それが、食べ物の味と相まって嫌な感覚で残ってしまうのです。

一方、あきげしきとひやおろしの相性はなかなか上場。特に、ひやおろしとの相性は抜群で、お互いの味を引き立てあっていることが感覚としてわかります。
「さすがひやおろしですね。料理と合わせるとどちらの味も引き立つ感じがします」
「あきげしきも合うけれど、やはりひやおろしはさすがですね」
と、まるで秘蔵古酒のことなど忘れてしまったかのように、あきげしきとひやおろしを褒めたたえます。

ちなみに伊勢海老を食べ終わるとシジミ潮汁とエキストラバージンのオリーブオイルのみが残りますが、飲んでもOKです。
というか、むしろ飲んだ上でもう一度ひやおろしと合わせてみてください。
先ほどとはまた違った表情を楽しめますよ。
それにしても、ウコンご飯にシジミの潮汁で、お酒を飲む準備もバッチリですね。

そして、この時全員の頭に過ったのは、本当に秘蔵古酒に合う料理は出てくるのだろうかということ。
さすがにクセが強過ぎただろうか。一度ぐらいは合う料理が出てきてくれれば良いな。
これは、二蝶の主人である山本の腕にかかっている。きっとなんとかしてくれるはずだ…と。

豚角煮 冬瓜

そして、次の料理は豚の角煮。たっぷりと辛子が乗っかって登場してきました。
和食としての地位はそこまで確立されていませんが、豚の角煮は長崎の代表的な卓袱料理として知られているほか、沖縄でも「ラフテー」という名前で広く知られています。
濃厚な味わいと強い油の感覚は、さきほど食べた伊勢海老酒盗焼とは全く方向性が違うので、どのお酒に合うのかと全員が興味津々。
そして、全員が驚きの表情を浮かべるのです。

「古酒が、合う」
先ほどいの一番にこれはないと言われた秘蔵古酒が、豚の角煮に合わせるとまるでこれと合わせるために生まれてきたお酒なのではないかと思えるくらい、絶妙な位置にいます。
その合いっぷりは感動のひと言。
当然ですよね。先ほどまで、飲み口が、後味が、風味が、と言っていたはずなのに、マイナスだと思っていたその感覚が料理と合わせることによってすべてプラスになってしまったのだから。

「やっぱり二蝶さんはさすがですね。古酒に合う料理をきっちり用意されていたなんて」
と、秘蔵古酒にも合う料理があったという安堵と、料理も2品目になって少し酔いが回ってきたのとで饒舌になってきたテンションで称賛の言葉を浴びせます。
そして、メニューをチラ見しながら、おそらく最初で最後になるであろうからと、秘蔵古酒をとにかくこの場で褒めちぎったわけです。

続きは酔舞の会で、自らお楽しみください

と、いうことで、本当はすべてご紹介したいのですが、今回は以上の3品のご紹介とさせていただきます。
現場で何があったのか。どういう会話がされていたのか、その舞台裏をご覧になりたい方のために、酔舞の会が終わった後で舞台裏の完全版をご紹介させていただこうと思っています。
ぜひ更新も楽しみにしていてください。

ところで、料理に合うお酒を味わいながらサービスを受けているいつもの飲み会ももちろん楽しいはずですが、今回私たちがやったような「料理と日本酒が合わない感覚」も味わってみたくないですか?
今回、料理とお酒を合わせてみて、正直、感動も驚きもたくさんありました。
さっきは抜群に合っていた日本酒が次の料理では違った表情を見せる。
さきほどは全く合わなかったのに、次の料理では感動するぐらいばっちり合う。
そんな感覚を皆さんにも体験していただきたくて、今回の酔舞の会は、なんと、試食会と同じようにすべてのお酒をお手元に並べて楽しんでいただく「飲み比べ」のスタイルにすることが決まりました。

お酒好きの方が集まる会ということを見越した上で決めていますので、当然ですが、普段はこういったサービスはありません。
酔舞の会だけの特別なスタイルということになります。
「あきげしき」「ひやおろし」「秘蔵古酒」の3種類を常にお手元に置いて、料理と一緒に楽しんでいただく。ご要望があればゆず酒もご用意します。
「これは合う」「これは合わない」「私はこれが好きかも」といったことを自らの舌で感じ、お隣のお酒好きの方々といろいろ談笑しながら味わっていただく。
そんな楽しい会にできればと思っています。
意外性と感動の連続で、きっと好きな日本酒がもっと好きになっていただける。
そんな会になると思いますので、ぜひご参加ください!

酔舞の会のスタイルと注目のポイント

  • お酒は常にお手元に3種類(?)飲み比べで楽しんでいただきます
  • 最初は出番が本当にあるのか?と思われていた秘蔵古酒の出番は果たして角煮以外にもあるのか!?
  • 紹介に登場した「月白」は、なぜ助っ人として登場することになったのか?
  • 料亭でそれが出るの?と思われる驚きのメニュー。その正体とは! ちなみに超おいしかった

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