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1歳を祝う初誕生の慣習「一升餅」と「選び取り」の由来をご紹介

お子様が1歳の誕生日を迎える「初誕生」で、「一升餅」を担がせ、「選び取り」をするのは日本の伝統行事。
今でも多くの家庭で取り入れられている行事であり、「覚えていないけれど写真は残っている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところで、一升餅にはどんな意味や願いが込められているか。
選び取りは何のためにやるのかと、疑問に思っている方もいらっしゃいますよね。

料亭二蝶でも初誕生のお祝いをサポートさせていただいています。
そのため、1歳の誕生日をお祝いする機会が多いのですが、
「なぜ一升のお餅をかつぐの?」
「どういった意味があるの?」
といったご質問をいただくことがよくあります。

そこで、今回は1歳の誕生日になぜ一升餅を担ぐのか。
同じタイミングで選び取りをするのは何故かといった疑問にお答えしていきます。

初誕生から知る意外な事実


初めて迎える誕生日のことを「初誕生」と呼びますが、これには意外な事実が隠されています。
「誕生日をお祝いする」という習慣は欧米から入ってきた文化。
実は、日本にはもともと2年目、3年目と、1年ごとに誕生日をお祝いする風習はなかったんだそうです。

ただし、生後間もなく亡くなってしまう赤ちゃんは多く、無事1歳の誕生日を迎えられることは特別なことだったため、日本でも1歳のお誕生日だけは盛大にお祝いする風習がありました。

初誕生は1歳の誕生日を無事に迎えられたことと、これからも元気に育ってほしいという願いが込めらた大切な儀式なのです。

一升餅とは、一升のお米で作ったお餅のこと

一升餅とは、一般的には子供の1歳の誕生日をお祝いをするときに使用する「一升のもち米から作られた丸餅」のことを言います。
一升餅自体は、お正月、家を建てる時の上棟式など、お祝い事に多く用いられ、丸い形状を三種の神器のひとつ「八咫鏡」に見立てて「鏡餅」とも呼ばれます。

お正月や上棟式などでは「鏡餅」、一歳の誕生日を祝う時のみ「一升餅」という呼び方をされることが多いです。
そのため、鏡餅と一升餅が実は同じものを指していることを知っている方は少ないかもしれません。
一升餅はお餅のことだけでなく、一歳の誕生日をお祝いすること、またはその儀式の名前として用いられることも多く、日本各地で伝承されている慣習となっています。

一升餅の儀式に込められた意味

お餅は昔から、お祝いやお祭りなど、さまざまなシーンで用いられてきた縁起物。
その中でも一升餅には「一升」と「一生」がかかっていて、丸くて平たいという形状も含め、

  • 一生食べ物に困らないように
  • 一生健やかで過ごせるように
  • 一生円満で過ごせるように

といった願いも込められています。

一歳の誕生日をお祝いする儀式

日本全国を見ると一升餅を使ったお祝いにはさまざまなカタチがあるようですが、香川県では子どもに丸餅を背負わせるのが一般的。
とはいえ、重さは約2kgもあり、1歳を迎えるお子様にとってはきっと今までに体験したことのない重さ。
大体の場合は泣きだしてしまいます。

もちろん、成長を祝う儀式ですので、背負えなくても立てなくても問題はありません。

  • 立ち上がれたら「身を立てられる」
  • 座り込んだら「家にいてくれる、家を継いでくれる」
  • 転んだら「厄落としができた」

と言われ、どうなっても縁起が良いとされています。

ただし、転んでしまったときに怪我だけしないように注意深く見守ってあげましょう。

県外には違った風習もあり。進行方法は家族で決めましょう

香川県内ではお餅を背負わせるのが一般的ですが、地域によってはお餅を踏む場合もあるようです。
さらに、最近では背負わせやすいようにお餅を風呂敷で包むのではなく、専用のリュックが用意されている場合もあるよう。
それぞれの家や出身地によってもやり方が違う可能性もありますし、進め方はご家族で決めて問題ありません。
どのようなスタイルで進行していくか、ご両親にも確認をとっておきましょう。

選び取りは将来を占う伝統の儀式

1歳の誕生日の儀式として、一升餅の他にも「選び取り」の儀式があります。
選び取りとは、アイテムを並べたりカゴに入れたりして、子どもが取ったもので将来どんな人になるかを占う儀式のこと。
最近では実物ではなく選び取りのアイテムが描かれたカードを用いることもありますが、意味合いは同じになります。

一升餅を背負って将来の健康や円満を願った後に取り入れるケースが多いです。
選び取りはその子がどんなふうに育っていくのかを占うもの。
何を取ったのかに合わせて「こんな子に育つかも」「こんなふうになってくれるといいな」と、将来の姿に想いを馳せます。
選び取りをした後、食事会となることが多いので、家族で話に花を咲かせる話のタネにもなります。

選び取りのアイテムは時代とともに変化している

時代の流れや家庭の事情などもあって、用意されるものは変化してきています。
また、昔は男の子と女の子で入れるものを変えることが多かったようですが、最近では職業に大きな隔たりがないこともあって、同じものを用意することが多いようです。

選び取りに用いられるアイテムを12種類、意味も込めてご紹介します。
もちろん、すべてを必ず用意しなければならないというわけではありません。
ご家族によっても用意されるものが違うことも多く、ちょっぴり変わったものを入れてもOKです。
将来の幸せを願う占いなので、すべて縁起の良いものでそろえるようにしましょう。

選び取りのアイテム一覧

  1. そろばん
  2. 本・辞書
  3. 筆・鉛筆
  4. お金・お財布
  5. お箸・スプーン
  6. 定規
  7. はさみ
  8. お酒・一升瓶
  9. スマホ
  10. 楽器・タクト
  11. ボールなどの運動用具
  12. 風船

そろばん・電卓

「商売人になる」「計算が上手になる」といった意味があります。
昔はそろばんを用意するのが一般的でしたが、最近は電卓を用いているご家庭も多いです。

本・辞書

本や辞書は「学者になる」「博士になる」といった意味があり、頭が良くなる、成績優秀になると言われています。

筆・鉛筆

「文筆家になる」「画家になる」といった意味があります。
昔は文書を書くのにも筆を用いていましたが、今は筆は絵画を、文字は鉛筆をと用途が分かれているため、両方用意する場合もあるようです。

お金・お財布

「お金持ちになる」「お金に困らない」といった意味を持っています。
お札をそのまま用意する場合と、お財布で代用する場合がありますが、どちらも同じ意味を持っています。

お箸・スプーン

「食べ物に困らない」といった意味の他に「料理人になる」という意味合いも含まれています。
ただし、食にはさまざまな意味が込められているため、もしかすると食いしん坊になってしまうかもしれません。

定規

もともと大工道具として用いられていた定規は、「大きな家を建てる」という意味が込められています。
ただ、今はそのイメージは薄くなっていることもあり、「几帳面になる」「しっかり者になる」といった意味も込められています。
三角定規や直定規、メジャーなど、どれを用いてもOKです。

はさみ

「美容師」や「服飾業」などの道に進むという意味が込められています。
他にも「手先が器用な人になる」と言われたり、服飾業から衣服を連想させ、デザイナーになる、衣装持ちになると言われたりもします。

お酒・一升瓶

お酒に関する仕事に就く、または「酒飲みになる」といった意味が込められています。
良いイメージばかりではないので、入れない場合も多いかもしれません。

スマホ

「IT業界にいく」「プログラマーになる」といった意味が込められています。
もちろん、昔はなかったアイテムですが、現代は特に必要とされている仕事でもあります。
なりたい職業として憧れの強い「Youtuber」も含まれるかもしれません。
液晶や動くものに反応して選ばれる可能性があるので、電源はOFFにしておくことをおすすめします。

楽器・タクト

「音楽家」「演奏家」など、音楽関係の道に進むとされているのが楽器。
最近ではアイドルや歌手といった道も比較的開かれているので、マイクという選択肢もあるかも。
ただ、マイクだと放送関係から声優、漫才師まで、幅広く連想できるので、音楽に関連しているとは限らないかもしれません。

ボールなどの運動用具

「スポーツ選手になる」「スポーツ関係の仕事に進む」といった意味が込められているのが運動用具。
実物を用意する場合、バットやサッカーボールなどはサイズが極端に大きくなってしまうので、野球やテニスのボールなどを用意するのが良いかもしれません。

風船

珍しい例として風船を入れる場合もあるようです。
これは空に飛んでいくというイメージから「世界に通用する人になる」といった意味を持たせているよう。
さまざまな意味を持たせて将来を占ってみるのも良いかもしれませんね。

選び取りの瞬間を収めておきましょう

お餅を担いだことは覚えていないけれど、選び取りで何を取ったのかは両親から聞いて知っているという方も多いのではないでしょうか。
お子様が大きくなって話を聞かせるのに残しておきたいのが映像や写真。

1歳の初誕生でお餅を背負ったことや選び取りで何を取ったかを覚えているというかたはおそらくほとんどいないでしょう。
それでも、大人になっても選び取りで自分が何を取ったかは意外と話題に上ることがありますよね。
だから、その瞬間を収めておくのは大事なこと。
写真を撮ったり、動画に収めたりして「話」だけでなく証拠として残しておくのがおすすめです。

料亭二蝶で初誕生をお祝いできます

料亭二蝶では、1歳の誕生日をお祝いしながら初誕生の儀式も叶えたいというご家族のために、一升餅の手配や選び取りのアイテムのご用意も可能です。
一升餅は手配の上、かかった料金分のみお支払いいただくカタチとなります。
選び取りのアイテムについては無料で貸し出しをしています。

その他、儀式の説明やサポートなどもさせていただきます。
ご自宅やご実家などで初誕生のお祝いをするのが難しいという方は、ぜひご実家の一室のような感覚で料亭二蝶をご活用ください。

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